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新しい生活がはじまってすでに1週間。

学校も陽菜と同じ学校に転校した。

前の学校では勉強とバイトで忙しくて、友達らしい友達もいなかったけど
今ではいつも誰かが傍にいるような気がする。


新しい学校ではすぐに友達ができた。

彗 (すい) っていって学校では人気者みたい。
いつもクラスの中心にいて、面倒見のいいしっかり者って感じかな。
人見知りしがちな俺に気軽に声をかけてきてくれた。





今ではすっかり仲良くなって、学校が終わった後は彗の家で遊ぶことも多い。

彗も小さい頃に父親を事故で亡くして、母親と2人暮らしみたい。





旬 「彗って彼女いるの?」

彗 「いないいない。」

旬 「もてるって聞いたよー。女の子に興味ないの?」

彗 「興味ないってわけじゃないけど、なんか疲れるんだよな。旬は?」

旬 「うーん。どうだろ?まだいいかなぁ。」


考えてみれば恋愛ってよくわかんないや・・・。

俺もいつかは好きな人できるのかな?






彗と話し込んでいると陽菜が帰ってきた。

陽菜「ただいまー。」

旬 「おかえりー。紹介するね。彗、兄妹になる予定の陽菜。陽菜、こっちは友達の彗。」

陽菜「よろしくね!」

彗 「こちらこそよろしく。」





とりあえず、陽菜と彗には2人で遊んでもらうことにした。

おれはお菓子の準備。
作ったのはベリーパイ。結構うまそうにできた!
これからはお菓子作りもいろいろと挑戦してみようかな。





おやつの準備ができたから2人を呼びにいくと・・・

なかよくスマッスルを踊っていた。

なんだか、とっても楽しそうだ^^

この2人だったら美男美女でお似合いだし、絶対相性いいと思うんだ。





友達もできて、温もりのある生活を送れて俺って幸せだなぁ。

母さんも健一さんと幸せな時間を過ごせてますよーに。





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あわただしく時間は過ぎていって・・・。

母さんと健一さんは海外へ旅立って行った。

今日から新しい生活のはじまり。
とりあえず、千歳さんと陽菜ちゃんに迷惑掛けないようにしないとだよな。





家に着いたら千歳さんと陽菜ちゃんが暖かく迎えてくれた。

俺の部屋も準備してくれていて感動。
自分の居場所があるっていうのかな・・・
不安もあるけど、今までよりも暖かい生活が過ごせそうで楽しみ。
母さんと2人暮らしもよかったけど、仕事仕事で1人でいることが多かったもんな・・・。



***



荷物を運び終わったら、陽菜ちゃんが作ってくれたマカロニチーズを3人で食べた。




旬 「おいしいね。」

陽菜「ありがとう!わたしもお兄ちゃんもマカロニチーズしか作れないの。」

千歳「毎日マカロニチーズはさすがに飽きるしな・・・。」

2人ともどうやら料理が苦手らしい・・・。





旬 「俺料理好きなんで、料理作りますよ?」

陽菜「本当?!うれしー。楽しみだ。」

千歳「ありがとう。でも、無理とか遠慮とかなしな。」

陽菜「そうそう!敬語もなし。わたしのことは陽菜って呼び捨てにしてね。」

旬 「うん、わかった。 俺のことも呼び捨てにしてくれていいから。千歳さんもね。」





さすがに千歳さんには敬語じゃないとって思ったんだけど・・・
一緒に暮らすんだから、気にしないでいいって言われちゃった。
徐々に慣れていけるといいな・・・。


少し緊張したけど、陽菜ちゃんも千歳さんも気さくな感じでホッとした。

明日から楽しくなりそうだ。






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料理を作っていると、ガチャっと玄関から音が聞こえてきた。
どうやら母さんの交際相手が着いてしまったようだ。

あとは盛り付けるだけなので、
母さんにはお客様に席について待ってもらうように言った。





料理を運ぶと、みんな席について待っていてすこし緊張する。
でも、母さんはとても幸せそうな顔をしていて・・・。
あんなにうれしそうな母さんの笑顔を見るのは久しぶりだ。





食事の準備ができたので、とりあえず食事をしながら会話をすることに。
とりあえず、自己紹介から話しがはじまった。
母さんの交際相手は黒木 健一 (くろき けんいち)さんというらしい。
穏やかでやさしそうな人だな。っていうか、男前なんだけど。母さんやるな・・・。
ぼうっと健一さんを見ていると、
「子供2人いてね、紹介してもいいかな?」と声をかけられた。
いきなりでまともに反応を返せずにいると、健一さんは手のひらで自分の子供たちを示して見せた。





健一「まずは、こっちが息子の千歳(ちとせ)。」

健一さんが初めに指したのは、20歳過ぎくらいと思われるやたら顔の整った青年だった。
男の俺から見ても憧れるくらい男前だと思う。

千歳「千歳です。よろしく。」
旬 「こ、こちらこそ。」

見た感じ、すごくクールそうなイメージだけど笑顔がすごくやさしい。
どんな人もイチコロなんだろーなぁ。

ぼんやりとそんなことを考えていると、健一さんの手のひらが移動した。





健一「で、こっちが娘の陽菜(ひな)。確か、旬くんと同い年だよ。」

健一さんが次に指したのは、可愛らしい女の子だった。
同い年なのかぁ。

陽菜「はじめまして、陽菜です! よろしくねー^^」
旬 「こちらこそ、よろしく・・・。」

見た目はお嬢様って感じだけど、すごく明るいくて人懐っこそうな子なぁ・・・。


簡単な紹介が終わったら、終始和やかな雰囲気で食事会は進んでいった。
こんなに賑やかな食卓は初めてかもしれない。
家族っていいなぁ・・・と、じみじみと思ったり。

健一「っと、そうだ。これからのことについてなんだけど。」

思い出したような健一さんの言葉に僕は首を傾ける。
健一さんは僕のほうへ向き直り、穏やかに微笑んだ。

健一「俺と美佐子さんは来月から仕事上海外へ行くことは聞いてるかな?」
旬 「はい、聞いてます。」
健一「うんうん。俺としてはね、このアパートから家に引っ越してきてもらいたいんだ。」
旬 「えっ?」
健一「1人で暮らすって大変だし、俺たちも心配だしね。
    家で千歳と陽菜と3人で暮らしてほしいなと思うんだけど。どうかな?」

今日1日で1番のカウンターをくらった感じだ・・・。
それでも返事をしなくてわと、ぐるぐると回る頭の中から言葉を引き出した。

旬 「あの・・・でも、えっと・・・みんなはそれでいいんですか?」
健一「それはもちろん。みんな了承済みだからね。」

ぇええ?!そうなの?
驚いて周りを見ると、みんなにっこりと綺麗な笑みを浮かべていた。

美佐子「そうしてくれるとお母さんも安心だし、みんな旬と暮らすの楽しみにしてくれてるのよ。」

俺みたいなやつと一緒に暮らすのを楽しみにしてくれてるなんて・・・。
母さんも安心させたいし・・・好意に甘えちゃっていいのかな・・。
というか、選択肢とかない気がするんだけど。お金の問題とか、お金とかry(ぁ





旬 「えっと・・・ふつつかものですが、よろしくお願いします。」
健一「おお!一緒に住んでくれるか!ありがとう!」

お礼を言うのは僕のはずなのに、
満面の笑みを浮かべた健一さんに何度もありがとうと言われた。

全然実感もなく、頭の中は真っ白。
現実に心がついていかない。
そんな僕の心中とは関係なく、解散する頃には引越しの日程まで決まってしまっていた。




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僕の名前は早乙女 旬 (さおとめ しゅん)。
小さい頃に両親が離婚し、それからは母の美佐子とアパートで2人暮らし。
2人で協力してなんとか生活してたんだけど・・・

この時、母さんの一言で僕の人生が大きく変わるなんて思ってもみなかった。





美佐子「お母さん、今お付き合いしてる人がいるの。」
旬 「はいぃ?」

母さんはいつも唐突なんだ・・・。
そりゃあ離婚してから随分経つし、
再婚してもいいんじゃないかなとは思うけどいきなりすぎる。

美佐子「それでね、手続きとか面倒だから再婚はまだ考えてないんだけど
     仕事上海外を飛び回っててね、お母さんもついて行くことしたわ。」
旬 「ちょw いきなりすぎるって。」

付き合ってる人がいるっていうのより、海外に行くってことにびっくりなんだけど。
母さんが海外行くってことは、僕1人暮らしになるのかな?お金どうしよう・・・。

呆然としている僕にむかって母さんは更に追い討ちをかけるよな言葉を発した。





美佐子「今日ね、お互いの紹介や親睦も兼ねての食事会を家でやる約束してたのよ。」
旬 「母さん!それ早く言ってよ!」

母さんがおきらくな性格なのは知ってるけど、こういう時はマジ勘弁してほしい。
心の準備もできてないし、食事作るの僕なんだから・・・。


とりあえず、約束の時間までそんなに時間がないから
母さんの話を聞きながら料理をすることにした。





冷蔵庫の中を見るとたいしたものがなかったので仕方なくスパゲティを作ることに。
本当はご馳走を作りたいけど、材料を買いに行ってる時間すらない。

料理を作りはじめたとき、ふと母さんに話しかけられた。
「ご飯5人分作ってねー!」
訳を聞いてみると交際相手は2人の子持ちらしい。
ほんとにもう・・・そういうことは早く言えって・・・。

さすがにもう、びっくり発言はないよな・・・?
心の中はヒヤヒヤとドキドキでいっぱいだ。


今日みたいな、いかにも気を使いそうな場は苦手だけど
母さんの幸せを笑顔で祝福してやりたいという気持ちがあるから
反対する気も断ろうとする気もなかった。





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